神様から祝福を授かる88の参拝方法 その7(手水)
境内に入りまして 最初に行う作法は、浄めでございます。
「手水場」で手と口をすすぎます。
浄めと表現するだけあり、
ただ「手を洗い、口をすすぐ」という行為ではありません。
伊邪那岐命が黄泉の国から戻って来た時に
身に付けているものを全て捨て 海に入り禊をいたしました。
それが、禊祓いであり、今の手水場で手と口を浄める由来です。
昔は、神社の近くに清流が流れている場所が多く、清流で身を浄め
参拝しておりました。滝原宮の川、内宮の五十鈴川は、
今でも手水場としてその役目を果たしております。
「洗心(せんしん)」と書いてある手水場もございます。
文字通り、「心を洗う」です。
手水の心構えは、心身を浄め、神様にお会いする。
とりあえずの手洗いではないことをお忘れなく、お清めください。
コロナ禍の影響で手水場を閉じている神社も多いです。
手水場の水を抜いているだけの神社もあれば、あしらいを施している神社もあり、
本来の場所ではなく、違う場所に細細と水を流している神社もあります。
使えないから素通しして、そのまま参拝することではありません。
このように全てが禁止となってしまうことで手口を浄めるという本来の意味が、
忘れ去られてしまうのではと不安に感じることがあります。
コロナ禍が収まり、日常が戻ってきたとき、大事なことを忘れてしまうのではないかと。
「その大事な、なにか」は、失ってからではないと気づかない。
どうぞ、「浄める」お心で神様にお向かいください。
「手水の取り方」は、
①右手で柄杓を取ります。柄杓にいっぱい清水を汲みます。
この時、柄杓ぎりぎりいっぱい入れて大丈夫です。
この一杯の清水で全てを済ませますので少ないと二度汲むことに。
溢れるほどではなく 一杯で終える心掛けです。
時にジャバジャバと左手で一杯、右手に一杯、口をすすぐ時に一杯と
大量に清水で浄めている人を見かけますが、
それは、無意識に汚れてると感じているからです。
実際の汚れではなく、心や行い。
自ら邪気が溜まっていると宣言しているようなものです。
右手で柄杓を取ったら最初に左手にかけて、左手を浄めます。
なぜ、左手が先かというと日本は、左を上位と考えるので左を先にします。
左が上と憶えておくと間違えません。
②柄杓を持ち替えて右手を浄めます。
③柄杓を右に持ち替えて左手平に清水を受けて口をすすぎます。
この時、口をすすいだ水は、そのまま左手平で受けます。
清水で左手平を浄めます。
④最後に残った清水で柄杓の柄の部分を浄めます。
柄杓をまっすぐ縦にすると綺麗に浄めることが出来ます。
これは、次の方のために綺麗な柄杓です。という意味を示します。
手を拭くのは、白いハンカチがオススメ。
白色を用いるのは、高貴な相手への敬いを示すために。
最初にハンカチを出しておくとスマートです。
手水場の端に台が置いてある時は、
そこにバックなど置いても良いので利用なさると良いでしょう。
手水場の水が汚れているときは、用いなくても大丈夫です。
汚れている水では「浄め」になりませんので
山の聖域に出向くとき、コロナ禍で手水場の水が止められているとき
綺麗な水を持参して、そっと手口を浄めましょう。